有史以前に創設された!?宗像大社にまつわる謎にせまる!

宗像大社の創建は有史以前とされています。そのため、よくわかっていない謎が多いのも事実。そこで今回は、宗像大社にまつわる謎についてご紹介していきます。

辺津宮の千木が逆

まずご紹介するのは、辺津宮の千木(ちぎ)にまつわる謎についてです。その前に、千木とは何か簡単にご説明しますね。

千木(ちぎ)とは

千木とは社殿の屋根の両端に、V字に交差している2本の板木のことをいいます。神社を訪れた際、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

何のためにあるのかというと、古代の建築方法が関係しているようです。かつて家屋を建てるには、木材を左右に交差して結び、その先端をそのままにしていたそうです。これが由来だそうで、古代の皇族や豪族の住まいにも使われていた様式だそうですよ。

さて、千木には「内削ぎ」と「外削ぎ」という、二つの種類があります。千木の先端に着目した分け方です。

  • 内削ぎ:千木の先端が、地面に対して水平になっているもの
  • 外削ぎ:千木の先端が、地面に対して垂直になっているもの

そして、千木が「内削ぎ」か「外削ぎ」かを見れば、その神社で祀られている神様の性別がわかると言われています。内削ぎなら女性神、外削ぎであれば男性神と判別することができるのです。

宗像三女神をお祀りする宗像大社

では、宗像大社の社殿の千木はどちらだと思われますか? 宗像大社ではそれぞれ3つのお宮で、宗像三女神を一柱ずつお祀りしています。三女神というだけあって、女性の神様です。

  • 沖津宮:田心姫神(たごりひめのかみ)
  • 中津宮:湍津姫神(たぎつひめのかみ)
  • 辺津宮:市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)

ということで、宗像大社の社殿の千木はすべて内削ぎであると考えられますよね。しかし、沖津宮と中津宮が内削ぎであるのに対し、辺津宮だけは外削ぎなのです。これはどういうことなのでしょうか。

理由はわかっていない

まず、内削ぎ=女性神、外削ぎ=男性神というのはあくまでも俗説のようです。

調べてみたところ、確かにその法則に当てはまらない神社もいくつかありました。伊勢神宮の外宮※はその代表的な例です。

ですが、なぜ辺津宮の千木だけが逆なのかは、どうやらわかっていないようです。もしかしたら、実はここに大きな秘密が隠れていたりするのかも!?

※ご祭神は豊受大御神(とようけのおおみかみ)という女性神ですが、社殿の千木は外削ぎです。

ご祭神は宗像三女神ではなかった!?

では、次にご紹介する宗像大社の謎は、御祭神についてです。先ほどの外削ぎに関連しているのかはわかりませんが、宗像大社の本当の御祭神は宗像三女神ではなく、大国主命(おおくにぬしのみこと)ではないかという説があるそうです。

大国主命とは

大国主命とはスサノオノミコトの子孫で、少彦名神(すくなびこなのかみ)らと国造りをしたとされる神様です。大己貴神(おおなむちのかみ)など、他の名前もたくさん持っています。出雲大社の御祭神としても有名ですよね。

また大国主命は、たいへん女性にモテた神様としても知られています。何人もの妻がいたとされ、宗像三女神の田心姫神もその一人だったと言われています。ということで宗像大社と大国主命、何かしらの関係はありそうですが・・・・・・。

万葉集に書かれていた?

では、なぜ大国主命が宗像大社の御祭神であったという説が出てきたのでしょうか。それを裏付ける資料として、『万葉集』に残された次の一首が挙げられます。

大汝(おほなむち) 少彦名(すくなびこな)の 神こそは 名付けそめけめ 名のみを 名児なご山と負ひて 我が恋の 千重ちへの一重ひとへも 慰めなくに

訳:大汝と少彦名の神々が 名付け始めたというが 名前だけ 名児(なご)山といって わたしの恋の 千分の一も なぐさめてくれないことだ

これは大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)という女性が詠んだ歌です。宗像大社の辺津宮近くにある名児山という山を越えるときに詠まれたものとされています。この歌からすると、宗像大社の御祭神は「おおなむち」こと大国主命だったのではないかと推測できませんか?

また、宗像大社には沖ノ島がありますが、出雲近くにも隠岐(おき)という島があります。言われてみればそうですね。この説は憶測の域を出ないように思えますが、二つの神社の共通点を探してみるのも楽しいかもしれません。

沖ノ島女人禁制の謎

沖津宮のある沖ノ島は「神宿る島」と呼ばれるほど、古来より神聖視されてきました。沖ノ島特有の掟が存在してきたため、古代祭祀の跡がほぼ手つかずのまま残されてきたといわれているんですよ。

沖ノ島の禁忌(きんき)

その掟には、以下のようなものがあるといいます。これらは現在でも守り続けられています。

  • 不言様(おいわずさま):島で見聞きしたものは、一切口外(こうがい)してはいけない。
  • 一木一草一石たりとも持ち出してはならない
  • 上陸前の禊(みそぎ)
  • 女人禁制

これらの掟のうち、現代人から見ると不思議なのが女人禁制です。確かに、古くは神社に女性が立ち入ることはできませんでした。神道では血は穢(けが)れとされてるので、生理のある女性が神聖な場所に立ち入ることはタブーとされてきたのです。

ですが、現在では女性も普通に神社へお参りに行きますよね? 宗像大社の沖津宮以外のお宮、つまり中津宮・辺津宮にだって参拝することができるんです。

なのに、なぜ沖津宮のある沖ノ島だけは女が入ってはいけないの? と、少しムカついてきませんか? 「伝統だから」といわれてしまえば元も子もないのですが、なぜそれが伝統になったのか調べてみることにしました。

女人禁制の理由

沖ノ島は女人禁制である理由は、はっきりとわかっていないそうです。そこで、よく言われている説についてご紹介しますね。

島に近づくのは危険だから

沖ノ島は玄界灘に浮かぶ絶海の孤島。玄界灘は荒海として有名で、冬になると特に季節風の影響で高波になることが知られています。今でも漁船の遭難が多いんだとか。さらに上陸した後も、沖津宮までたどり着くには、険しい参道を登っていく必要があるそうです。

そういった危険な場所に女性を連れてはいけない、子孫を守ろうという理由で沖ノ島は女人禁制となったともいわれています。

田心姫神の嫉妬と卑弥呼のDNA!?

沖ノ島にある沖津宮でお祀りされているのは、田心姫神(たごりひめのかみ)であることはすでにご紹介しました。沖ノ島が女人禁制の理由は、こちらの神様にあるともいわれているんです。なんでも女性が上陸すると嫉妬深い田心姫神の怒りに触れ、祟りがあるのだとか・・・・・・。

また、こんな説もあります。女性が沖ノ島へ足を踏み入れると島のエネルギーを受けて、卑弥呼(=神)のDNAを持った子を妊娠してしまうんだとか。なんと! 興味をお持ちの方は、詳しく調べてみるとおもしろいと思います。

沖ノ島に“海底遺跡”があった

では、最後にご紹介する謎は、沖ノ島付近で見つかった“海底遺跡”です。沖ノ島の北東部にあるとされるその遺跡には、4本の石柱が存在し、そのうちの1本にはらせん階段のようなものがついているのだとか。これがもし、本当に人工物であればすごいことですよ!

その場所が陸地だったのは、旧石器時代(約2万7000年前)までさかのぼらないといけないのだそう。他にも、地震で沈んだのではないかという説もあるようです。いずれにせよ古いものには違いないと思いますから、実にロマンがありますよね。

ちなみに沖ノ島への上陸はできませんが、ダイビングなら近くまで行けるようです。船上からお参りをした後、ボートダイビングとなります。ただし、こちらの海底遺跡には残念ながら、一般のダイバーは近づけないようです。

最後に

今回は宗像大社の謎についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。どれも謎は謎のままですが、だからこそ想像力がかきたてられませんか? ご興味を持った方はぜひ、ご自身でも色々調べてみてください。思っても見ない発見があるかもしれません!

【参考】

  • 個人ブログ「宗像大社辺津宮千木が外削ぎなのは何故?結末編」

http://lunabura.exblog.jp/17899541/

  • 久留米地名研究会「021 宗像大社の祭神は三女神にあらず!!」

http://hiborogi.sblo.jp/article/106147824.html

  • 『神社のいろは』「3.玉垣と千木、鰹木について教えてください」
  • 大辞林「おおくにぬしのかみ【大国主神】」

https://kotobank.jp/word/%E5%A4%A7%E5%9B%BD%E4%B8%BB%E7%A5%9E-674555#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88

  • 産経WEST「大国主命(4)各地の女神を妻に 天津神の子“一寸帽子”も協力、国造り」

http://www.sankei.com/west/news/150227/wst1502270039-n1.html

  • 個人ブログ「宗像・沖ノ島海底遺跡」

http://lunabura.exblog.jp/15250191/

  • STINGRAY「福岡沖ノ島日帰りダイビング」

https://stingraycruise.com/okinoshima/

  • 万葉集

http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/sakano2.html

  • 宗像大社「信仰の伝統を育んできた人」

http://www.okinoshima-heritage.jp/know/people

  • NEWSポストセブン「孤島・沖ノ島 ただ一人の常駐神職は毎朝全裸で海で禊を行う」

http://www.news-postseven.com/archives/20151002_353229.html

  • 発掘(ほる)ばい♡九州古代ヘリテージ

「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群 宗像大社宮司の葦津敬之氏が語る「宗像の歴史と未来」前編」

https://horubai.jp/content/news/46

  • ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「玄界灘」

https://kotobank.jp/word/%E7%8E%84%E7%95%8C%E7%81%98-60313

  • CHIHOJO「沖ノ島はなぜ女人禁制か,理由は差別?参拝申し込み方法2017」

http://jijijitu.xyz/okinoshima/