宗像大社の中津宮(なかつみや)では、毎年8月7日(旧暦の7月7日)になると七夕祭が行われています。実は中津宮のある大島は、七夕発祥の地とも言われているんですよ。せっかくなら、この日を狙って現地を訪れてみるのはいかがでしょうか?
そこで今回は宗像大社に伝わる七夕伝説や、七夕祭に関する情報などをお伝えしていきます。
目次
宗像大社・中津宮の七夕伝説
大島が七夕発祥の地とさらっと書きましたが、気になりませんでしたか? 私は最初聞いたとき、納得がいきませんでした。七夕って確か中国が起源だったような……。
七夕伝説発祥の地とは?
気になって仕方がなかったので、調べてみることにしました。すると、日本の七夕とは以下の3つが結びついて生まれたことがわかりました。
(1) 中国の星伝説:牽牛星(ひこぼし)と織姫星(おりひめぼし)が年に一度会えるという伝説
(2) 中国の「乞巧奠(きこうでん)」という行事:織姫星にあやかって、裁縫や書道の上達を願うというもの
(3) 日本の棚機女(たなばたつめ)伝説:禊(みそぎ)のため、選ばれた乙女(=棚機女)が神様のために着物を織ったという伝説
なるほど。色々なものがブレンドされた結果、今の私たちの思う「七夕」になったのですね。
さらに調べていくと、日本における七夕発祥の地としては他にも、大阪枚方市・交野市あたりが名乗りを上げていることもわかりました。えーっと、この件に関しては、柔軟に対応した方が良さそうですね!
筑前大島天の川伝説とは?
何はともあれ、大島が七夕発祥の地と言うからには、何かそれなりの理由があるはず。
中津宮の境内には「天の川」という小川が流れているのですが、この川が七夕の発祥に深く関わっているのです。というのも、大島にはこんな伝説が残されています。
昔、唐の国に使えに行った貴公子が、織女を伴って帰国の途中、深い恋仲となったが、 それは果敢ないかりそめの縁で、二人は日本に着いて離ればなれになった。 それから貴公子は織女を想い日々を過ごしたが、ある夜、夢枕で神のお告げを受け、筑前大島の中津宮に来て、 天の川にたらいを浮かべ、水鏡に映る織女との逢瀬を楽しみに、神仕えの身になったという。(宗像大社HPより)
当時、大陸との交流との窓口になっていた宗像らしい言い伝えだと思いませんか?
さらにおもしろいことに、中津宮の境内には天の川をはさんで「牽牛社(けんぎゅうしゃ)」と「織女社(けんぎゅうしゃ)」という二つの小さな社があるのです。
鎌倉時代にはそれぞれのお社に参籠(さんろう)して、タライに張った水に映る姿によって男女の縁を決めるということもあったとか。
現在では、縁結びのパワースポットとされている牽牛社と織女社。さらにロマンチックな伝説を知ってしまったら、中津宮の七夕祭に行くしかないですよね!
宗像大社の七夕祭とは?
先ほども少し書きましたが、中津宮の七夕祭は今からおよそ800年前、鎌倉時代から続くとされるお祭りです。
毎年8月7日(旧暦の7月7日)の夕方には露店も立ち並び、ステージイベントなども行われています。楽しい夏の思い出になること間違いなしです!
夜8時からは神事が執り行われ、それが終わるとみんなで鳥居を囲んで七夕踊りを奉納します。地元の方だけでなく、観光客の方も踊りに参加することができますよ。
また大島では8月1日より七夕飾りが行われ、色んなイベントが開催されています。7日はどうしても行けないという方でも、この期間に大島を訪れれば、七夕の雰囲気を満喫できるでしょう。
中津宮へのアクセス
それでは宗像大社の中津宮へは、どのようにして行くのでしょうか。中津宮のある大島へはまず九州本土にある神湊(こうのみなと)港まで行き、そこからフェリーもしくは旅客船に乗ることになります。
神湊港へのアクセス
まずは神湊へのアクセスですが、例えば下記の方法があります。JR東郷駅は宗像大社辺津宮の最寄り駅です。
- 公共交通機関で行く場合:JR東郷駅よりバス約20分→「神湊波止場」下車
- 車で行く場合:九州自動車道若宮ICより約30分・古賀ICより約35分
神湊渡船ターミナル
【所在地】宗像市神湊487-51
【電話番号】0940-62-3494
【駐車場】あり
渡船について
神湊に着いたら、次は船で大島へと渡ります。神湊と大島を結ぶのは「フェリーおおしま」と「旅客船しおかぜ」(※)です。通常の時期は、それぞれ7便ずつ、夜7時まで運航しています。
上にも書きましたが、七夕祭の神事は夜8時からでしたよね。そこで七夕祭の日は夜の9時半に、大島から神湊への臨時便が出ていますから大丈夫ですよ。
※所要時間
- フェリーおおしま:約25分
- 旅客船しおかぜ:約15分 ※大きな荷物や車などは不可
宗像大社中津宮
【所在地】福岡県宗像市大島1811
【電話番号】0940-72-2007
中津宮へは大島港から徒歩5分です。港から鳥居が見えるので、迷わずに行けると思います。
最後に
今回は宗像大社・中津宮で行われている七夕祭についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。それでは七夕発祥の地で、素敵な夏の夜をお過ごしください。