「宇治橋」それは伊勢神宮へと続く神域への扉

宇治橋は、数多くの写真家たちに撮影されてきた大人気スポットです。

清流・五十鈴川に架かる、ヒノキで造られた美しい橋です。

こちらの橋は単なる橋ではなく、実にたくさんのエピソードが詰まっています。

 

そこで今回は、伊勢神宮に行く前に知っておきたい「宇治橋の豆知識」についてご紹介します。

 

目次

20年間で半分の厚みに

 

長い歴史を持つ伊勢神宮ですが、社殿や調度品など20年に1度

すべてを新しくし、神様にお引っ越しをいただくという、「式年遷宮」が行われているのは有名ですよね。

 

その理由は、神様には常に瑞々しい社殿にいていただき、若い力でもって、

私たちを守って欲しいという「常若の思想」という考えから、行われています。

 

ということで、宇治橋もその例に漏れず、20年に1回架け替えられることになっています。

それにより、宇治橋も常に美しい姿を私たちに見せてくれている、ということです。

ですが、橋を20年に1回架け替えるだなんて、少々もったいない気がしませんか?

 

実は、そんなことはないのです。

新しく架け替えられたばかりの宇治橋は、ヒノキ板で約15cmの厚みがあるそうです。

しかし、伊勢神宮はあまりにも参拝客が多いため、

次の架け替えまでの20年間で、その半分ほど、7~8cmにまで擦り減ってしまうそうです。

 

20年に1回の宇治橋架け替えは、習わしということだけではなく、

私たち参拝客の安全面にも配慮されたことなのかもしれませんね。

 

宇治橋は遷宮年よりも4年フライングして架け替えられる

先ほど、宇治橋は20年に1回架け替えられるとご紹介しました。

しかしそのタイミングは、いわゆる遷御が行われる「遷宮年」に合わせて、架け替えられるものではありません。

宇治橋は、遷御の4年前に架け替えられるのが恒例となっています。

 

どうせなら、一緒にやってしまった方が良さそうだと思いませんか?

 

実は、もともと宇治橋の架け替えも、遷宮年に行われていました。

ではなぜ、宇治橋だけ4年も前に新しくするようになったのでしょうか。

 

その理由は、神宮の長い歴史の中では、比較的最近の出来事に由来しているのです。

 

明治維新後、新政府は神道を「国家の宗祀」として位置づけ、

他の宗教とは別格として扱うようになります。

そして全国の神社のトップに君臨する伊勢神宮は、特に国家からの手厚い保護を受けるようになります。

そのため、式年遷宮の資金も国家が供出していました。

 

しかし時が下った太平洋戦争終結後、GHQによって政教分離政策がとられることになります。

それにより、伊勢神宮の遷宮の資金は、国家から支出されなくなりました。

 

伊勢神宮は国家からの手厚い保護を受けていた立場から、一宗教法人になります。

資金不足に陥った伊勢神宮は、当初昭和24年に予定されていた式年遷宮を延期することを余儀なくされます。

 

ところが、地元の方々の強い要望によって、宇治橋の架け替えだけは行われることとなりました。

それ以降、宇治橋の架け替えは遷御の4年前に行われることが恒例となったそうです。

 

地元の方の熱い想いが伝わってくるエピソードでした。

 

運気が上がるポイントがある

次は、キャッチ―な話題をご紹介しますね。

実は宇治橋にはパワースポットのような開運ポイントがあります!

入り口から3枚目の板

 

宇治橋の「とある場所」を踏むと、なんと金運がアップするという噂があるんです!

気になるその「とある場所」とは、

入り口から数えて3枚目の板だそうです。

 

また、擬宝珠(ぎぼし)をご存知でしょうか。

擬宝珠とは、橋の欄干についている飾りのことで、葱の花に似ている形をしています。

 

お札が入っている擬宝珠

宇治橋にも、こちらの擬宝珠(ぎぼし)があります。

その中でも、入り口から向かって左、手前から2つ目の擬宝珠を触ると、

良いことがあるといわれています。

多くの人が触ったため、一つだけ変色しているので、すぐにわかります。

 

なぜ運気が上がると言われているかというと、

該当する擬宝珠の中には橋と参拝者の安全を祈願したお札が納められているから、ということです。

 

こちらの擬宝珠と、先ほど少しご紹介した3枚目の板の話ですが、

なんと擬宝珠を触るとちょうどこちらの板も踏めるようになっているのです。

ちなみに、板については何の根拠もありません。ですので、ほんの楽しみ程度に考えてくださいね!

 

なお、内宮は右側通行になっています。

そのため、宇治橋の噂の擬宝珠を触れるのは、参拝後になりそうです。

知っておくと、ちょっと嬉しくなるような話題でした。

 

美しい日の出が発見されたのは最近?

人と神様をつなぐ架け橋と言われている、宇治橋

そんな宇治橋の大鳥居から、日の出が昇る神秘的な写真はとても有名ですよね。

こちらの光景は、

11月下旬から1月下旬にかけて、

朝の7時半ごろに見ることができるそうです

 

こちらの景色、実は発見されてまだ30年程しか経っていないそうです!

とても意外ですよね。

早朝参拝などに訪れる方々は、気づいていたのではないのかと、疑いたくなる事実です。

 

ですが、まだまだ知られていない美しい光景が、伊勢神宮にはまだあるのではないか?と思うと、

ワクワクせずにはいられないですよね。

 

昔とは大きく違う宇治橋周辺の姿

 

今や内宮の玄関口であり、

人と神様をつなぐ架け橋

とも言われている宇治橋ですが、

実は昔と今の姿は大きく違ったようです。

 

宇治橋が現在の場所に架けられることとなったのは、

鎌倉末期とみられています

 

中世から近世にかけて、あの辺は門前町としてにぎわっていたそうです。

手前の広場には土産物店がたくさんあったそうですが、

大正時代にそれらはすべて撤去されたようです。

今でも宇治橋のすぐ右手に入ると「おはらい町」ですが、

橋のすぐ目の前が栄えていたというのは、驚きです。

 

さらに驚くべきことに、

現在は「神域」となっている、橋を渡った先の光景です。

なんとこちらには、

町屋が連なっていたそうです。

宇治橋は始めから、人と神様をつないでいたわけではなかったのですね。

それらの町屋は、明治20年に撤去されたそうですよ。

 

多くの参拝客を迎え入れてきた

宇治橋

よく知ることでその一歩一歩にありがたみを感じることができますね!