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神紋とは?
家紋や県の紋章と同様に「神紋」とは、神社で用いられる固有の紋となります。その神紋には、神社にゆかりのある植物や縁起物、または、御祭神によって統一されているというような特徴があります。
有名なところでは、天満宮の「梅」などがそうで、これは、天満宮の御祭神とされる菅原道真が、梅の花をこよなく愛し、太宰府に左遷される折に、京の都で、「東風(こち)吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」という歌を詠んだといいます。そして、道真が亡くなると、その梅が一夜にして、京から太宰府まで飛来し、根を下ろされた(飛び梅伝説)と言われ、梅との結びつきは強く、神紋としても用いられるようになったとされています(ただし、北野神社は、別伝承により松を用いています)。
また御祭神の名前に(~天皇)や(~皇子)のような、皇室の直系であったり、神話において直系とされる御祭神の場合は菊の紋を使しています。一番有名なところでいえば伊勢神宮の十六菊花紋でしょうか。パスポートの表紙にプリントされているあれです。
その他にも勾玉を3つ並べたような形をした三つ巴の紋や、桜、笹なども有名どころのようです。
出雲大社の神紋
それでは出雲大社の神紋を見ていきましょう。出雲大社の縁は、太い六角形の内側にさらに細く二重に書かれた[亀甲紋」という形になっています。これは亀の甲羅を模写したものとなっているためこう呼ばれます。亀甲紋がベースとなっている神社は出雲大社以外に、厳島神社や、香取神宮があります。
※香取神宮の氏子に醤油造りの名人がいて、この家紋が基でできたのがあのキッコーマンです。亀甲紋に「萬」の字
亀は古来から長寿で縁起の良い動物とされており、さらには甲羅を焼いてできる割れ目で占いをしていたという記録もあります。また玄武という中国の神様も亀の形をしていますね。
二重亀甲紋の内側には「剣花菱」という形が入ります。一説にはその形の中央の丸は「鏡」、花びらは「勾玉」そして剣の部分はそのまま「剣」で、三種の神器を表したものとされています。
二重亀甲紋と剣花菱、この二つを合わせて出雲大社の神紋ですが、実はもうひとつあるんです。それが、二重亀甲紋に漢字の「有」という字を入れたものです。
どんな関係があるのか、ここで神在祭を連想できた方はかなり鋭いです!しかし「有」じゃなくて「在」じゃないのか、とお思いの方もいらっしゃると思いますので「有」という漢字を分解しましょう。
「有」=「十」+「月」
もうお分かりの方も多いと思います。
そうです、神在祭が開催される時期を思い出しましょう。旧暦の十月ですよね。「有」という漢字には存在するという意味と、(旧暦の)十月という意味が込められていたんですね。
それが神魂神社と出雲大社のもう一つの神紋です。
神紋一つとっても奥の深さを感じることができます。出雲大社に限らず、神社に参拝に行った際は気にかけてみてみるのも楽しさの一つですね。
関連ページ「出雲大社と伊勢神宮」
「全国の神様を迎える神在祭」