60年に一度の大遷宮

60年に一度の大遷宮

平成25年(2013)5月10日出雲大社「平成の大遷宮」本殿遷座祭が執り行われ、修造された御本殿に、大国主命大神は御戻りになりました。平成20年(2008)4月20日に仮殿遷座祭を執り行ってから約5年かけての御修造でした。


遷宮とは



遷宮とは文字で見れば「お宮を遷す」という意味です。神社は木造建築ですから、長い年月が経つと建物や屋根が傷みます。したがって定期的に修繕する必要があります。修繕の間は神様に御本殿から遷って頂くことになりますので、遷宮と呼ぶのです。

伊勢神宮との違い



遷宮といえば伊勢神宮の式年遷宮が有名です。必ず20年ごとに行い、また同じ面積の隣接地がありますので、そこに新しい建物を建て、御遷り頂いてから以前の建物は解体します。そして新しい御本殿から宝物、調度品など全てのものが新調されます。


出雲大社の場合、現在は約60年ごとに行います。隣接地はありませんので、平成の大遷宮の場合は拝殿に御遷り頂き御仮殿とし、仮拝殿を設けて拝殿の機能を移しました。伊勢神宮が家の新築というのなら出雲大社は家の改築というようなところでしょうか。

出雲大社の大遷宮



江戸時代の初めより出雲大社の御本殿にはそれまでとは違い、礎石(※1)を使うようになりましたので、必ず建物を建て直さなければならない、ということはなくなりました。


現在の建物は江戸時代の延享元年(1744年)に建てられたもので、傷んだ部分を遷宮でこれまで3回補修しています。特に檜皮葺(ひわだぶき※2)の屋根は60年の歳月の間にかなり傷みますので、これは全て葺き替えすることになります。


出雲大社の御本殿はとても大きな建物です。大屋根の面積は約180坪、使用された檜皮は約70万枚にも及びました。その檜皮は職人の手によって、竹釘で一枚一枚打ち付けられました。出雲大社の檜皮は一般の1.5倍の長さのものが使用され、軒先の厚さは約1メートルにもなります。また今回の遷宮では「蘇り」と「復興」の願いを込めて2011年東日本大震災の被災に遭われた東北の木材も使用されました。


大屋根にそびえる千木(ちぎ※3)と勝男木(かつおぎ※4)も傷んでいるものは取り替えられました。その千木などを包んでいる銅板には保護のために「ちゃん塗り」という技法で、エゴマ油に松やに、灰などを混ぜたものを塗られました。そのため黒っぽい色になっています。


遷宮の意味



遷宮を行うことにはいくつか意味があると考えられており、木造建築を維持し残していくため、建築の多くの技術を継承するためなどです。また神道では新しいお社に神様が戻られることでその神威が高まることも信じられてきました。さらに古からの信仰心を現生において新たに磨き直し、そして未来へと「つなぐ」役割があるとも考えられています。


平成25年に本殿の遷宮は完了しましたが、摂社・末社の遷宮はそこでは終わらず、平成28年まで続きました。


※1 礎石
建物を建てるときの柱を安定させるために置かれた石の事です。
ビルの下によく見る「定礎」とはもともとこの礎石を定めることでありました。
※2 檜皮葺
文字通り檜(ひのき)の皮を使って葺かれた屋根のことで、日本独自の技法で自然に優しいものだとされています。
※3 千木
屋根の両端で交差された木の事です。先端が地面に対して垂直に切られたところの神社には男神、水平なら女神が祀られているとされていました。
※4 勝男木(鰹木)
屋根の上の棟と垂直に並べられた木の事です。奇数本だと男神、偶数本だと女神とされています。
※3※4に関して、多くはそのように作られていますが、必ずしもそうとは限らない場合もあるようです。




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